ZX-10R J/KをNinja化する⑳

スポンサーリンク
KAWASAKI
スポンサーリンク

文明の利器

通年温かめで、マイナスになる日は東北より少ない千葉県と言えども、1月の寒さはそれなりです。
ついでに言うとガレージのシャッターの隙間からガンガン冷気が入ってくるので、ガレージは寒くて冷蔵庫の様になっていました・・・・が!シャッターの下端には隙間テープ、サイド部分には100均で買った隙間を埋める厚めのスポンジを張り付けたところ、劇的に暖房効率が改善しました。
大き目の電気ストーブ一つで室温が維持できるようになった上、とどめにこの秘密兵器です。
これがまあ優秀で・・・短時間でクリアコートの重ね塗りがガンガンできます。
距離はこの位が限界で、それ以上近くすると全部パーになりますが(笑)。
母材まで温めるパワーが強力すぎて恐ろしいですが、季節を問わず塗装を楽しむすべての方にお勧めします。

個人の自家塗装の場合、絶対垂れない様に厚塗するのは至難の業です。
気温や塗料の濃度、ガンの調子など複数の要素が絡むので、出来たとしても長時間かかりますし、意外と再現性が低い作業だと思っています。
冬の寒い時期はインターバルに最低でも30分(夏場は15分くらい)は必要ですが、このヒーターのおかげで、塗装後4~5分の照射ですぐにもう一度塗ることが出来てしまいます。
素早く作業できることに加えて、失敗が劇的に減ると言うのは、本当にありがたい。
おかげで、僅か30分ほどで、垂れずに厚塗りすることが出来ました。
分厚い塗装膜はトロトロでいながらしっかりと母材にへばりついており、試しにわざと途中で指触したら、強力接着剤の様に指から大量の細い糸を引きました。
距離が合わないと貫通して母材の裏までアツアツになるので、こいつは塗装前でも使えます。

普通なら絶対垂れる厚みのはずなのに、見事に維持できている状態は、塗装の経験者からするとちょっと違和感が残る程で、脳みそがバグったような錯覚を覚えます。
短時間に重ね塗りを行ったのにもかかわらず、写真加工でビカビカにしたわけではなく、ボンドの様にこの状態で逆さにしても流れません。
「早く買えばよかった」とはよく言いますが、常識が覆るのは何歳になっても面白い体験です。
これだからものづくりは辞められません。

神は細部に宿るんじゃい

今回はすっきりとカーボンをマスキングで残しました。
ここで細工をすると、あちこちのバランスが崩れてしまい、トータルデザインに悪影響を与えます。
ここは足すのではなく、あくまで引き算で考えます。
ガマンだ・・・・・ガマン(笑)。

美しく出来たんじゃないでしょうか?一見するとクワのような農機具感がありますけど(笑)。
狙いとしては、MOTOGPなどにみられる、レーシーなショートフェンダーだった物を、市販のスポーツモデルとして、フロントホイールの中心よりも前方にかぶりを足したものです。
単純に延長するのもつまらないので、角度を下げてタイヤへの被りを増やし、タイヤとのクリアランスも少しだけ狭めています。
これによって、フェンダーのサイドラインは上向きではなく、最低でも水平にまで戻され、顎下がりなアッパーカウルの底辺のラインともマッチします。

フロントフェンダーのワンオフ作業はこれで終了しました。
厚すぎるほど厚い(笑)クリア層がしっかりと乾燥した後に砥いだ上、ポリッシングで仕上げます。
それは、あたかも最初からそうであった様にフィットするでしょう。

これだけ厚い被膜が垂れることなくしっかり出来ているのを見ると、本来つまらない作業である「砥ぎ」や「磨き」が楽しみにすらなってきます。
こんなに厚塗りが簡単に失敗せずに出来る様になるのなら、この後の作業の進め方も変わってしまうかもしれない勢いです。
一つ一つのパーツのクオリティをしっかり担保しながら、次の作業に移ります。
まだまだ妥協も挫折も禁止です。

タイトルとURLをコピーしました