馬子にも衣裳?
フレームの形や吸排気方式、排気量全てが違うカウルを、異なる車両にマッチさせるのは至難の業。
ましてや、それが「カッコイイ」のか?と言うと・・・・・。
StudioQのカウルフィッティングは上からが基本。
・前輪とのクリアランスを維持
・光軸が獲れる範囲内の固定位置を見つける
・絶対車両側を加工しない
・簡易なステーでガッチリ取り付けられる
これらの方程式に沿って上から位置を完全に固定してゆきます。
はい、このカウル、150%つんつるてんでしたw
ぜーんぜん足りません。
ここまで足りないと、もう既存カウルをベースに作るメリットはほとんどなく、新規に起こした方が手っ取り早いです。
小さく舌打ちをしながら(笑)、ガレージに転がってる端材を当てがってみます。
ああ・・・こりゃ大変な予感しかない。
あっちもこっちも足りません。
一先ず位置を出さなければ、何がどのくらい足りないかもわかりません。
プロトタイプなので壊してしまう予定なので少々気が滅入りますが、固定用カウル形状を検討します。
プロトタイピング
大まかな想像図を重ねます。
後ろに延ばせばカッコイイか?と言うと、案外そうでもないことがよくわかりました。
そして市販車もそうであるように、必ずしも左右対称の形である必要もありません。
車輛の左側はスタンドがあるので、そこを大きく逃げる必要があるからです。
大概、メーカーはここを作りませんので、左側のカウルは短くなっています。
不格好な為か?バイクの写真は右を向いている物が多いようにも感じます。
どうにもなりそうにない左側の事は一旦置いておいて、右側を試作しています。
後端はフレームに合わせて一度インにエグリを入れてから、後ろにはねた方が面白そう。
そして、後ろへの跳ね(しっぽ)は、水平だと案外つまらなかったので、斜めに傾斜を付けてみたりしました。
思い立ったらまずは試作です。
私はバイクカウルを作る時、うんざりする程施策を繰り返しています。
2Dと3Dでの出来上がりの違いを知っているからです。
お裁縫と一緒で、原始的ですが「型紙」って結局便利です。
型紙などを作りながら、試作を進めます。
何処を見てもふくよかなカーブを描くのが、この時代のGSXの特徴です。
現代のモダンなオートバイには無いデザインです。
型紙をPP板に移して二枚張りにするなどして強度を上げます。
そうすることでPP板のうねりな無くなり、綺麗な面が出ます。
アルミテープとホットボンドでガッチリと固定します。
決して動いてしまってはいけません。
ど・・・どうしてうなった!w
これが2Dと3Dの怖いところです。
車両の下に寝っ転がったり、這いつくばったりしながら修正ラインをマジックで描き、また蓮してカットしたらボンドでくっ付けて・・・・・・を永遠と何時間も繰り返します。
その挙句、このように結果的に満足いくものが「出来ない」と言う事も珍しくありません。
「やっぱ才能無いな」
心がポキリと折れる瞬間です。