ZX-10R J/KをNinja化する⑩

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KAWASAKI

着想を具現化する

人は良く「センス」と言う言葉を使います。
「私センス無いから無理」とか「センスですよねえ」とかいろいろです。
何となく「持って生まれた物」「〇〇の星の下に生まれた」的に扱われていますが、私は決してそうじゃないと思います。
本当に好きな物って、子供の手を引いていても、嫁さんと買い物してても、気が付くといつの間にか目で追っています。
誰にもあることであり、そうした何千何万と言う瞬間が、音と映像で脳に記録されて行くわけですが、それが何かを新しく考えようとするときに「ふっ」と引き出しから出てくるのがセンスの正体だと思うんです。
単体で懐かしく思い出すこともあれば、まじりあって何か自分で閃いたような気分になることもありますが、紐解けば、それまでどこかで見たものの総量に比例して生み出される「脳からの曖昧な回答」だと私は考えています。
ありがたい事に、私はセンスについて良く褒められますが、それは私のセンスが良いんじゃなくて、それだけ四六時中バイクの事ばかり考えているだけであり、同じぐらいの好奇心があれば、ほかの人でもきっと同じかそれ以上ことが出来ます。
なので、別に大したことは無いよって話でした(笑)。

まずは懐かしの「仏壇カラー」から考えてみたいと思います。
誰が言ったんでしょうね「仏壇」だなんて・・・バイク乗りからしたら縁起でもないです(笑)。
まあ・・・分からなくはないですけど、もう少し違う良い方ってもんがあっていいかな。
シンプルに黒にゴールドのラインはジョン・プレーヤー・スペシャル(JPS)などのカラーにも通づる物があり、モータースポーツシーンとはそんなに縁遠さは感じませんね。
カフェレーサーやクラシックカーのカラーリングにも、真っ黒い車両にリボンを掛ける様にラインを引くのは昔からある手法です。
真っ黒にゴールドって結構映えるので良い組み合わせです。

しかし、そのままのパターンを現代のバイクに塗装しても、そもそもバイクの形が違う訳ですから上手く雰囲気が再現出来うる筈もありません。
メーカーさんや一部のビルダーさんは、そこをあまり分かっていない様で「結局同じものが欲しいんでしょ?」と言わんばかりに、同じパターンを模倣したがります。
私は「そこは違うんじゃない?」と思うので、絶対にアレンジを試みます。
カワサキの事はカワサキに聞くのが一番と言う事で、川崎重工業が販売した物を片っ端から見てゆくと、やっぱりヒントがありました。
それは水上バイクのウルトラと言うフラッグシップモデル(バイクで言う10Rみたいなもん)で、黒と緑の塗り分けに、白いラインが如何にも涼しげで、躍動感がありました。
この白は、黄色い暖色系の白ではなく、冷蔵庫の様な青に寄った寒色系の白です。

それに気が付いたとき、ようやく錆びついた記憶の扉が一枚開きます。
そう!それはいみじくも10Rの色違いだったのです。
ううう・・・灯台下暗し・・・・・一周回って結局10Rに戻って来てしまいましたが、それもデザインの考察過程には重要な経験でしょう。
この二つを発見したことで、仏壇のアレンジに一つの方向性が見えたことは間違いありません。

着想を得る為のラフスケッチ

アイデアが揃ったら、まずは車両が無い状態でもいいので、ラフスケッチを起こします。
ラフスケッチは、ディメンションはあまり詰めずに、全体の感覚をとらえる為に使います。
このラフは回数をこなしていると、何となく、アリとナシが分かるんです。
今回は、これをガンガン煮詰めることで「アリ」になるな!と言う直勘が働きました。
プロジェクト名を考え、さっそく作業工程の線表を引きます。

実車を元にしたコラージュ

これが作業中の実車を元にした初期段階のコラージュですが、かなりマッチョですね。
ラフから一気にシャープになり、現実味を帯びてきましたが、良い方向にズレましたよ!
シンプルなモノトーンは、落ち着いた中にも凛とした佇まいで迫力を感じます。
どうせ色々着こんだゴチャゴチャした人間様がこれに加わる(笑)と思えば・・・・・バイクなんていくらデザインしたって・・・・もとい!バイク単体はこのぐらいシンプルな方がいいのかもしれません。
まあ、人によっては「盆栽」として楽しむ需要もあると思いますので、もう少し派手さが欲しい人も居るかもしれませんが、まあそれは新しいオーナーになる人にお任せましょう。
一先ず仏壇は「アリ」と言う事が分かり、アレンジの方向性もはっきりとしました。

あらゆる可能性を試す

仏壇カラーは、落ち着いてるモノトーンな感じが、大人っぽくてよろしいのですが、10Rと言えばレースシーンでの活躍も目立つ派手なバイクです。
私も含めですが、世のカワサキ乗りは、馬鹿の一つ覚えみたいに緑が大好きです!(笑)。
私は、何でもいいので緑の物をワンポイントで身に着けたくなるがあまり、カワサキ純正グッツの緑色の熊のキーホルダー(グレイトフル・デッド?)を買ったりもしたぐらいです。
そんなレースシーンで活躍する10Rのカラーリングは、今も昔もちょっと市販車と違っていました。

き・・・・黄色?!!・・・赤???まで使うんです。
黄色や赤は「ヤマハの物」と勝手に考えていた私には軽く驚きでした。
ワンポイントとはいえ、赤なんて想像もしていなかったので面くらいましたが、私もさっそくチャレンジしてみようと思います。

結構頑張ってみましたが、うーん・・・・残念ながら「頑張った」と言う表現がぴったりですね。
寄せてみたものの「寄せきれませんでした」って感じです。
簡単に言うと「拗らしてますね」と笑われてもしょうがないレベル。
10RにしたいのかNinjaにしたいのか?中途半端になったって事なんでしょうかね。
Ninjaにしたいのならば往年のカラーを参考にするべきだし、10Rにしたいなら最初からNinjaカウルなどにしなければいいだけの話です。
それに冷静になって見れば結構派手だし、チンドン屋みたいで・・・・なんか実際乗ってたら、かなり恥ずかしい(笑)。

せっかく無理してレーサー風に緑にしてみたものの、おそらく玄人受けはしません。
と言うのも、私は「玄人向けビルダー」と言うマーケットポジションであり、一般・カスタム初・中級者はスコープ外ですから、こんなことばかりやってちゃ、肝心のマニアがドンドン離れて行ってしまいます(笑)。
と言う事で、勿体ないですがこれは「あり寄りのナシ」とします。

既知を掛け合わせる

緑の反対の色は赤です(これを専門的には補色といいます)。
真っ白い紙の上に緑の物を置いて、じっと見ていると境界線に赤いモヤモヤが見えてきます。
色相環と言う色の輪っかでは、丁度反対側の正面にある色の組み合わせです。

そうそう。赤いもので好きな物と言えば・・・・ガンダムに出てくるシャア専用機。
三倍の性能を持つと言われる深紅のモビルスーツは、子供心にワクワクしたもんです。
特に好きだったのは、映画 逆襲のシャア に出て来た「サザビー」と言うモビルスーツ。
サイズも大きくて、真っ赤な機体に、黒い縦が何ともツボでした(速攻でガンダムに負けた)。

そんなサザビーが好きだった私が、最近作ったのが「赤いガチャピン」こと、このGSX-R1000です。
インスタで万バズし、今も尚、毎日フォロワーを増やし続ける怪しい機体。
「なんかマズイ物を作ってしまった」と言う自覚はありましたが、案の定「秒」で売れてしまい、その後SNS上では「ガチャピンロス」なるものまで発生しました。

GSX-R1100ばかりがもてはやされた当時、その陰に隠れる形で密かに人気だったGSX-R750。
その750にしか存在しないYOSHIMURAカラーを更に現代風にアレンジし、もう一つおまけに近年式のGSX-R1000上でそれを再現してしまったと言うこの車両は、世界中のバイク乗りから賞賛と批判を集めています(マジでアンチ怖えw)。
主に海外の人には懐かしがられますが、極一部の「オリジナルが正義派」にとっては、屈辱以外の何物でもないのでしょうね。
気持ちはわかるんですけど、バイクの楽しみ方は人それぞれですので、そんなにムキになってディスらないでほしいと思う今日この頃です。

そんな赤と黒のバイクのパワーにあっけにとられた私ですが、赤と言えば・・・・GPZ900Rにだって、ちゃんと赤いのはありましたよ。
赤×金×ガンメタと言う何とも大人しめなカラーですけど、私は結構好きでした。
アンダーカウルはありませんでしたが、走っている実際の車両を見たことがありまして、なんとも「品」があってよかったのを記憶しています。

そんな品のあるバイクを、ちょっとヤンチャにアレンジしてゆくと、こうなる様です。
やはり黒×赤と言うのは定番中の定番ですし、先にも話した通り補色の関係なので、峠道や休憩所の緑の中にあっても、赤いバイクは映えまくります。
ガンメタ部分を黒に変えるだけで、こんなにも雰囲気が変わるのかと驚きましたが、これら色々な発見と考察ミックスして、現代によみがえらせたらどうなるのか?を考えます。
悩む事2日。唐突にひらめきは訪れました。
それではみなさん!深紅を身に纏った、現代版Ninjaをとくとご覧ください!!。

カスタムカーとしての価値を極める

これが現時点で、私が今持てるすべてのアイデアと技術で表現する赤いNinjaです。
暗いメタリックの入った鮮血の様なREDをベースに、これまた暗めのガンメタリックのツートンとしつつ、ブラックは敢えてグラデーション代わりにちょっとだけ使いながら、所々にゴールドでラインを引くと言う何とも絶妙なサジ加減で構成されています。
カウルの造形美とカラーリングが相まって、相乗効果を生み出せたのは、細かいディテールの積み上げがあるからです。

フェンダーは再三調整して少しだけ延長した方がバランスが良いと判断。
結局段付きデフォルメをすることで前方への被りを大きくし、前からの風に対して、水平に切り裂いてゆくイメージに直す予定です。

敢えてKAWASAKIの文字を廃して、このリバーマークのみで語るその存在感は半端ないはず。
タンクカバーを加工してエンブレム用のホールを作り、そこに収まるようにしています。
一見ヤマハ風な演出でもあるこのリバーマークは、これがNinjaであることを雄弁に語るでしょう。

テールはシンプルにLEDストップランプ1灯式としてまとめています。
複雑な造形を持ちつつ、全体としては尻下がりなラインが、ノスタルジックなクラシックレーサーを思い出させ、見るものにこれがカフェレーサーであることを印象付けるでしょう。

長く、安定した視覚効果を持つアンダーカウルには、整然とスポンサーロゴが並びます。
一流の物のみを吟味して使ってあるので、デザイン上の破綻はありません。
既に、他車種流用のLCCリザーバタンクも作成し、さり気なく純正品のようにインストールされています。

すっかり盛り上がってしまいましたが(笑)、このようにしてデザインは繰り返し検討されてゆきます。
重ねて申し上げますが、生まれ持った才能など無くても、何かを好きだと言う気持ちさえあれば、不可能は可能に出来るんです。

順調にいけば3月~4月にはリリース出来ると思いますので、購入希望の方は、2023年1月4日以降で現車確認を受け付けます。
当然1台限りの早い者勝ちですし、よっぽど頼まれなければ、Ninjaはこれで最後とします。
さすがに疲れました。

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