ZX-10R J/KをNinja化する⑰

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KAWASAKI
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マスターモデル完成

壮絶な死闘を繰り広げた末に、今回も仕留めましたが、案の定ミギーは死にました。
明日からのパソコン仕事は、一本足打法になりそうです。

はずはプラサフを1.5mm口径のガンで大雑把に吹きます。
関西ペイントのJUSTプラサフは、低価格で肉盛りが良いので使いやすい商品です。
シンナーと一対一の割合で希釈し、専用の硬化剤を添加します。
肉盛りが素晴らしいので、液体パテの様に、少し垂れるぐらいで塗ってFRPの巣穴潰しに使うことも出来ます。
よってこれは「捨て吹き」のサフです。

実は昨年末に、こんなものまで買いました。
いよいよ素人が踏み込んではいけない領域に入ったような気がしてなりません・・・・・。
そのパワーはかなり強力で、ガレージで暖房と一緒に使うと、ブレーカーが一発で落ちます。
赤外線を当てているだけで、塗装面から湯気が出るくらいのハイパワーです。
赤外線は対象との距離で温度が決まるので、これを間違うと母材がヤラレます。
具体的には、巣穴を埋めて乾燥していた筈のポリパテ部分が膨らんできてしまったりします。
これは膨れと言う代表的な現象で、ヒーターを当てすぎている場合のエラーです。
使用しているパテや環境によっては、どうしても膨れが多くなる事があり、そんなケースだと使用を控える板金屋さんもあるそうです。

まずはサイドパネルのエッジ部分のみを薄く塗って乾かしてしまいます。
塗ってから5分と掛からずに完全に硬化しました。
1500Wと仕様書にはありましたが、本当に恐ろしいパワーです・・・・・。

エッジが乾いたらしたら、今度は顔面を乾かします。
ここを乾燥させておくと、カウルが自立出来るようになるので塗装や乾燥が楽なんです。
大型カウルはブースに収まりませんので、色々と気を使います💦。

アチコチ持ち手を変えながら塗ってひとます完了しました。
(このために、カウルのどこを持っても壊れない様に補強してあります)
この後更に厚く塗ったサフを削り取りながら、極限まで平滑な面を腕一本で追い込みます。
とても時間がかかりましたが、これでマスターモデルが完成しました。

デザイン考察

最終的には垂れや巣穴を修正した後、これを元に型を取る予定です。
伸びやかなデザインが、これまでのシリーズとのコンセプトの違いを物語っていますが、CGレンダリングデザインをほぼ100%実現出来ました。
前方に倒れたワイドナックルの角度に、カフェレーサー要素が盛り込まれており、前傾姿勢なスピード感を演出しています。

複雑な面構成ですが、丸と角が上手く融合しています。
今年はウサギ年だそうですが、そういわれると白兎に見えなくもありません。
しっかりとNinjaと分かりながらも、それでいて新しい。
アップセパハンが良く似合う令和のNinjaカウルが出来ました。

可愛いウサギだと思ったら、正面から見るとエイリアンみたいですね(笑)。
グレーのプラサフがこのカウルの造形美を際立たせます。
※ディテールや細かなエッジの揺れはこの後修正します
掘りの深いソース顔とでも言いましょうか、コーナリング中にフルバンクでの写真でも撮ろうものなら、この正面のオデコがキラリと太陽光に反射するはずです。
エグイ程に”映える”と思うので、是非オーナーになる方のお友達は、コーナリング中をカメラで狙ってください。

反ったり膨らんだりを面ごとに繰り返しながら、正面からサイドまでS時に落ちて行きます。
複雑な面構成が、様々な表情を見せてくれます。

堀の深さは正面にも出ています。
数ミリ単位で出ずらを増やしてある額縁が、なかなかいい味を出しました。
これぞ、デザインの勝利です。

サイドパネルは、彫刻刀で掘ったかのようなソリッドなプレスラインがスーっと消えて行きます。
これは、MAZDAの魂動デザインにある、サイドのプレスラインにインスピレーションされたものです。
世の中なんでもハッキリ白黒付けりゃいいってものでもありません。
年齢を重ね、特にそう思う今日この頃です。

真上から撮影されたカウルの写真です。
このカウルの複雑なデザインが良く分かります。
私が「コークボトルライン」と呼ぶ、うねるようなサイドのラインがハッキリとみてとれます。
カウルの上下のS字ラインがユラユラと交差しながら展開し、スクリーンだけがそれを優しく包み込むよう、後方へ長く弧を描いてゆきます。
ロング&ローな、カフェレーサーにみられるロケットカウルの文脈はここにも生きているのです。

全く新しい、でもどこ懐かしさを感じるデザイン。
これぞStudioQプロジェクトのコンセプトである”温故知新”です。
Ninja Evoluzione が誕生しようとしています。

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