ZX-10R J/KをNinja化する㊿

スポンサーリンク
KAWASAKI
スポンサーリンク

ワンオフアンダーカウル完成

クリアのトップコートを繰り返し、オリジナルのアンダーカウルが完成しました。
最低でも7~8回は重ね塗りしてあるので、かなり高級感があります。
ペイントされたロゴは、乾燥後に少しだけ段差が出来ていますが、このクリアを塗ることで極僅かにロゴが溶け、クリア層と完全に一体化します。
半乾きのクリアコートを重ねることで、ロゴは完全にクリア層にのみ込まれ、段差のない鏡の様にクリアな塗膜が完成します。

ロゴのサイズは、それぞれを僅かに調整しながらレイアウトしてあります。
オリジナルの縦横比にも手を入れてサイズを揃えたり、高さや長さなどを微かに変更しているからこそ、ピタリと揃えることが可能になります。

アンダーの前方は、チリトリ形状のオーソドックスなタイプです。
私が知る限り、ここまで長くストレートな形状のアンダーは無いでしょう。
かなり高い工作スキルが無いと、FRPでここまで歪みなく真っ直ぐな物は作れません。

私はデザインを考える時、筑波サーキットで行われるバトル・オブ・ツインなどに出場するドカティレーサー(カフェレーサー)を参考にしています。
カフェレーサーには見たこともない様なパーツが良くついており、発想のヒントになるのです。
春と秋に行われる「T・O・T」なども含め、筑波によく足を運んで、デザインを盗みに行きます。
StudioQの原点は、常に「カフェレーサー」にあり、ブレません。

反対側はサイドスタンドの逃げを考慮したストリート形状です。
黒い部分はレーシーに好みの数字の「ゼッケン」をつけてもいいですし、タイヤメーカーのロゴを大きくレイアウトしてもいいでしょう。
これは、車両のオーナーのみに許される贅沢なスペースです。

ほんの僅かに尻上がりに設定されているカウル形状に対し、地面に対して水平にロゴはレイアウトしているので、僅かにラインがズレて見えますが、これが正常です。
テールエンドのK-Factoryのロゴが、和風で漢臭くてイイ感じです。
フルカスタムマシンにふさわしい出立となって来ました。

オリジナルペイント タンクカバー完成

タンクカバーには来年40周年を迎えるNinjaの記念ロゴを作成して配置しました。
小さなロゴをペイントすると、僅かに塗料ミストやごみが入りますが心配は要りません。
クリア塗装で閉じ込める前に、拡大ルーペを頭にかぶり、麺棒やピンセットにティッシュを巻いたものに少しアセトンを含ませ、綺麗に拭き取り修正します。

こまかな修正を行った後にクリアを重ね塗りします。
クリア層に沈められたペイントロゴが、美しく輝く瞬間です。

40thはシャンパンゴールドで統一し、カラースキームやトーンコントロールを遵守します。
月桂樹もKAWASAKIロゴも、敢えて色を入れずホワイトで、モノトーンな進行をキープです。
色々やりたくなりますが・・・・ここはぐっと我慢です。

いずれ来るであろう40周年ですが、それは1年で終わり、すぐに思い出に変わります。
しかし、このバイクがそんな時期に合わせて世に放たれたことが、いつまでも意味として残る筈です。数字に部分だけステッカーにすることも考えましたが、敢えて全てペイントで作りました。
オーナーだけが、その意味とストーリ―を知ってさえいればいいのです。

ワンオフシングルシート完成

シングルシートのシートエンドには、往年のNinjaロゴを復活させました!
結構目立つこの位置にこの文字は、好きな人にはたまらない演出ではないでしょうか。
オリジナルのデカール形状をリプレイスしつつ、色は独自に設定です。
ここでもトーンコントロールが必要でしたが、ロゴ内のグラデーションは、黒➡グレーや、金➡黒など、色相同士が離れすぎてしまうと派手になり、ポップ(カジュアル)に見えます。
この車両は「お仏壇さま」なのでポップさなんて必要ありません(笑)。
そこで一考し、ブロンズからシャンパンゴールドへと変化する「同色相同士の明度違い」のグラデーションとし、エレガントは雰囲気に纏めました。

シングルシートカバーも美しく完成です。
複雑な形状ですが、歪みなしの軽量設計。
クイックファスナーでピタリとシートにフィットします。
我ながらほれぼれする出来栄えです。

クリアの厚塗りには、セラミックヒーターを使って、強制的に乾燥させることで、インターバルタイムを大幅に縮小します。
完全乾燥は無理ですが、塗料が動かない程度までは、かなり短時間でたどり着けます。
電気もかなり食います(たまにブレ-カーが落ちることも・・・)が、これらの器具を使ってハイスピードに作業を進めています。

複雑な形状となったシングルシートですが、上手く塗れました。
蓋の開閉機能に関しては、毎晩ベッドに入る度に、目を閉じて「もっといい方法は無いか」と考えを巡らせたものです。
私は、デザインでも形でも、いいアイデアが浮かぶと、スマホにメモを取ってから寝ています(笑)。
そうしないと全部忘れちゃうんですよね。

Ninjaロゴは色分けしたために、色重ねが最大で3層になってデコボコになっていましたが、超厚塗りクリア塗装で、±0まで持ってこれます。
これはステッカーではなく、塗装であるがために、塗料同士が少し溶け合うことも関係しています。
御覧の通り、完全にNinjaロゴをクリアで閉じ込めることに成功しました。
いつも思うのですが、この凄まじい一体感は、ステッカーでは絶対に不可能です。
私がペイントのロゴにこだわる一番の理由はここにあります。

ワンオフアッパーカウル割り型完成

膨大な時間と気力・体力を根こそぎ持っていかれましたが、ようやく割り型が完成です。
一体何キロあるのか分かりませんが、もう片手では持てなくなってしまいました。
この割り型の最大のポイントは、このように顔を下にして自立するように、計算して仕切りを作ってあることにあります(これもテクニックの一つなんです)。
この状態で写真の様に型を組み上げ、内側にゲルを塗ってマットを築層する筝で、ダラダラと外に液体が漏れる心配がなくなります。
唯一心配するとすれば、重力で樹脂が下に落ちてきてしまう事ぐらいです。
上の方が樹脂が薄くなってしまう現象ですが、硬化剤を調整すれば回避可能です。

分厚すぎるくらい分厚くした、少し大きめの仕切り板の部分は、ここから更にボルト穴を開けて貫通させ、その状態でガッチリ締めあげたまま、全体を一回り小さめにカットして整えます。
そのために強度を上げ、何層も余分に築層してあるのです。
そしてこの仕切りの長さは、脱型時にもテコの原理として働くので、ある程度の強度が必要です。

#450のガラスマットが約5m、FRP樹脂も4L位は消費したでしょうか?。
とにかくハードボイルドな型の作成もこれでオシマイ。
ボルト穴を開けた後、閉じ込められているマスターモデルとのカジリが無くなるまでエッジを削り、ハンマーでぶっ叩きながら御開帳です。
マスターモデルを無傷で救出できるとは思えませんが、それも楽しみ。
さてさて、果たして型はうまく出来ているでしょうか?!こうご期待です。

タイトルとURLをコピーしました