原型をある程度荒く面取りすると、地盤沈下している部分が見えてきます。
そこをしっかりファイバーパテで土盛りして、パテで整えたらたらサフを吹きます。
パテは明るいグレーなので、塗布すると陰影がはっきりと分かるようになります。
更にカウルの凹凸がはっきりと分かるので、修正ポイントが特定できます。
サフは安くて万能なJUSTを使っていますが、少しシンナーを少なめに混ぜて作りドロドロにします。
FRPの巣穴などがまだ多い状態ですが、このドロドロサフをパテ代わりに目止めにしようという訳です。
この方法はすごく便利で、時には弾いてしまっている部分を指でチョンしたりします(笑)。
そんな捨て吹き的なサフなので、垂れようが指で触ろうがお構いなしです(笑)。
塗ったくってあればOKなので、このように面がガタガタでも慌てません。わざとですから。
そんなドロドロサフが垂れまくりなカウルを、荒く研磨するのはハンドポリッシャーです。
思い切って#60ぐらいで、長時間当てずにササッと平滑にします。
どうやっても粉が飛びまくるので、防毒マスク着用で全身真っ白になりながら頑張ります。
洋服は全部ダメになりますw。
荒くサンディングしただけでも、一見するとOKっぽく見えますが、面の歪みや高低差は取り切れていませんので、ここからはサンディングブロックを使った手磨きです。
ひたすら水砥ぎで追い込んでゆきます。
乾砥ぎでもイケてると思っていましたが、#240で水砥ぎを始めると引っかかりを感じ、どんどん面が出てきます。
これだから機械は信用できません。
細かい造形は機械が入らないし、無理に入れるとほかの構成面を破壊してしまいます。
写真のような微妙なアール部分やエッジを作る部分などが正にそうです。
ここはニトリルグローブをした「手」の指をヘラに見立て指に直接パテを盛り、感覚だけで一筆書きの様になぞってゆきます。
最後の最後はドンドン手作業になってしまうのが私のカウル作成の常です。
この後、しっかり面を出し直します。
ダクト部分を空けてしまうと、型抜き時に引っかかってしまうので、塞いだ状態でマスター型を作成します。
さあ、この後面を出してもう一度サフを吹いたら、いよいよマスターモデルは完成です。
お次はいよいよマスター型を作る訳ですが、ちょっと車両に取り付けて鑑賞会と洒落てみましょう。