ZX-10R J/KをNinja化する㊹

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KAWASAKI
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アンダーカウルデザイン

日がな一日シコシコとマスキングデカールを作成してました。
嫌いじゃないんですが、まあ性格が色濃く出る作業ですね。
かなりストイックじゃないと集中力が維持できませんので、コーヒーがどんどん進みます。
結局朝から晩まで、丸一日ぶっ通しでした。
非常に肩の凝る作業です。

成果を確認しようと、全て机に並べてみました。
抜き取りに失敗して、幾つかは作り直していますが、これで全てです。
マトリスはマークとロゴを分割して、文字ロゴデザインが少しくどかったので、オリジナルを加工編集してシンプルな物に作り直しています。
難関として、TAKASAGO CHAINの「A」の文字の中の▲や、KAWASAKIの「a」の中の●など、結構Aにはヤラレてしまう印象です。
抜くのは簡単なのですが、残すとなると、拡大鏡を見ながら息を止めて作業しないと無理です(笑)。
CREVER WOLF RACINGなどは、恐らくカッティングプロッターの限界に近いと思います。
切断するラインが細すぎて、且つ接近しているので、そもそものシートの粘着力が下がってしまい、台紙から離れ、捲れて来てしまうからです。
直す方法はあるにはあるのですが、成功率の低い方法で再現性はありませんし、何より弄っているうちに粘着が無くなってしまい、マスキングシート本来の役目を果たさなくなってしまいます。
そしてトドメに、全てのシートはリタックシートに一度写し取られ、再度カウルに転写しなくてはいけません。
先程の、「A」の文字の中の▲や●などの極小面積のシートたちは、粘着力が弱くなっているので、リタックには写っても、リタックから離れ、再度バイク本体にくっつく力がほぼ無いので、再転写には非常に難儀します。
こうなってくると、もうピンセットなどでは作業不可能で、カッターの刃先をピンセットに見立てた「超絶技巧」しかありません。

そこまでして拘るのは、ペイントだとカッティングシートと違い「凹凸が消せる」点にあります。
カッティングシートでも、相当クリアコートを重ねれることが出来れば、物理的に凹凸は消せることもありますが、そんな厚みを塗装で出すのはかなり難しいです。
ロゴペイントは、塗装した後も乾燥具合を見極めてシート剥がさないと失敗する上に、剥がし方を間違うと、マスキングシート上に乗ってしまっている不要な生乾きの塗料が、ロゴにくっついてしまう事もあります。
・・・・・・とにかく準備が面倒で塗装も剥離も難しいのですが、ここまでする理由は「仕上がりが美しい」と言う一点に尽きます。
フルカスタムマシンには、ふさわしい出立と言うものがあるのです。

アンダーカウルは、このように塗り分ける予定でいます。
StudioQの作品群では、もはや伝統的なパターンとなりますが、このラインを跨ぐ形で、エモーショナルにロゴを配置するのも、また特徴です。
完璧な角度と、均一な間隔を空け、美しくレイアウトしてゆきます。
カウルの乾燥をまって作業を並行して進めます。

ディテールUP

カウルステーが完成したことで、カウルを理想的な位置にガッチリ固定できるようになり、これでデザインのマスキングが可能になりましたが、それとはまったく別な問題も浮かび上がってきました。

クリアランスを整え、拘りまくったのは良いのですが、あちらを立てればこちらが立たず・・・・今度はエアダクトのサイズが微妙にあっていないことが分かりました。
それぞれのパーツを分けて作ってましたが、どこで間違ってしまったのか・・・・・手痛いミスです。
発見してしまった以上、もう気になってしょうがありません(笑)。
はい、もうご想像の通りです。
また壊して作り直します。

ショックがよほど大きかったのか?、急に一つのアイデアが脳裏に浮かび上がって来ました。
私はマジカルレーシングのミラーを良く使いますが、この台座がゴツくて実に気に入りません。
以前から、コレどうにかできないか?と色々と考えていたのです。

今回は、敢えてカウルに台座ピッタリの掘り込みを作ることで、埋め込んでみます。
取り付け位置に拘るがあまり、無残にもカウルに穴を開けまくった部分がそっくり無くなるので好都合でもあります。
綺麗に削るのはちょいと面倒ですが、こんな時は電動工具に任せます。

折角綺麗に作ったエアダクトの形状も、少し小型に変更しなくてはいけません。

エアダクトは左右共に絞られ、以前よりも小型になるので、これまでの印象とは異なってしまう心配がありましたが、ここでも一つアイデアが浮かんできました。

アッパーカウルの取り付けが、けっこう顎を引いて睨みを利かせた為に、シールドへ繋がる「オデコ」の部分の広い面積が=前面投影面積となってしまい、少し違和感を感じていたのです。
当初は、ここにゼッケン風のデザインを入れることでバランスを取ろうとしていたのですが、今となっては少々それも古臭い手法となっているような気がしていました。
そこで、プレスライン(キャラクターライン)を入れることで動きを付けようと思いつきました。
こういった引き出しが多さも、StudioQの強みの一つです(笑)。

コックピットから見ると、カウルはボディにピタリと寄り添うように有機的なカーブを描いており、決して間延びしたデザインや、何かのポン付けでは無い事が分かるのですが、バイクを降りて真正面から見た時の前面投影面積が広すぎる為、エイリアンヘッドの様に見えてしまうという訳です。
乗って良し、眺めて良し、弄って良しの三方良しを目指す私としては看過できません。

勿体ないですが、けっこうな勢いで削りました。
せっかく出来上がったマスターモデルは、またしてもボロボロです。
エアホールからカーブを描いて、エアダクトまでを結ぶラインを入れています。

懸案だったミラーの台座ですがやはりゴツイ。
マジカルレーシングのカーボンミラーは汎用品の為仕方がないのですが、それにしてもです。
カウルにガッチリ固定する為とはいえ、この太さ、厚みはやはりいただけません。
これではワンオフスペシャルのカスタムバイクが台無しです。

格好が良いのか悪いのか?ちょっと謎ですが、今回はトライです。
最適解では無い物の、ボコン!と浮き上がって固定されているよりは、はるかにマシになる筈です。
窪みの前方のみに、パテで堤防を築き、ここでも少しラインを入れてみようと思います。

早速PP板で養生して、そそくさと築層です。
このマスターは、一体いつになったら完成するんだろうか?!
既に注文を受けていて納車を待たせていたのなら、けっこう怒られていたかもしれません(笑)。

色々やっているうちに、副次的な効果として、このカウルの弱点も分かってしまいました。
怪我の功名と言ったところでしょうか?デザインされたエアホールの細い部分が、強度が思いのほかなく、強い力が掛かると割れやすいと言う点です。
ここは築層の仕方を変えるだけで解決できそうなので、型を起こすことに今は集中します。
場合によっては、エアホールの形を少し小さくして、強度を付与することも検討します。

なんだかんだでバタバタと改修を行いましたが、結果的にはのっぺりとしたエイリアンヘッドに、こまごまとした加工が施され、丁度良いバランスになりそうです。
もう少しディテールを詰めて、今度こそマスターモデルの最終化を目指します。

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