RN46J XSR900 CafeRacerカスタム②

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デザインシンキング

さてさて、XSR900を素材に、今回もさっそくモデファイしてゆきましょう。
何度でも言いますが、XSR900は本当にデザイナーさんは頑張った力作と思います。
限られた難しい条件下で、最高の仕事しています。
新型が出てしまい、そっちがチヤホヤされていますが、私は声を大にして言いたい。
RN46Jも悪くないぞ!と。
まあ、これから大きく形状を変えてしまう私に、その資格はありませんが。。。

車輛を調べている過程で判明した、ポン付けロングスイングアーム化の可能性。
トレーサー900のスイングアームは中古部品でも安く手に入るので、コスパも含めぜひトライしたい。
とにかくカフェレーサーはタイヤをはみ出してナンボです。

CG上でロングスイングアームを付けると、このようになりました。
多少不格好ですが、リアフェンダーデザインを再考すれば解決できそうです。
実際の走りの面で見ると、ジオメトリが変わってしまうので、Fフォークを少し突き出すなどして、前後のバランス取るといいと思います。

ホンダの試作機にたまに採用されている、フレア形状のリアフェンダーを考案してみました。
下部分は、あまり実用効果は無いのですが、デザインとしてどこも製品化していませんし面白い。
視覚的にリアセクションを車両から切り離す効果もあるので、より”足が長く”見える効果もあります。
ワンオフで作り込んでみましょう。

シートは素直に、名門K&Hをチョイスしたいと考えています。
それほどまでにここの製品コンセプトはしっかりしています。
形だけのシートではなく、乗って本当に良い物に仕上がっています。

K&Hさんのカフェレーサー風のシートをチョイスしてみると、やはりピッタリ!。
調子に乗って、マンクスのマスコットカウルを付けたりすれば、更に雰囲気が出そうです。
ロンスイ化を前提に考察を含めると、素材として”こりゃイケル”と確信しました。

キャリブレーション

一気に盛り上がってきたので、更に調子に乗ってマフラーを検討してみました。
カフェレーサーには無くてはならないアイコンですので、長さ・形に拘ります。
つくばサーキットで行われている、バトルオブツインなどに出ている車両をイメージしています。
古くはスラクストンさんが作っていたシングルレーサーや、モトショップ五郎さんのスーパートラップなどが思い出されます。
遠目で見れば、チャンバーの無いYOSHIMURAサンパーのようでもありますが、アクラポビッチのトルネードエキパイを使っているのがワンポイントです。

ラフなイメージとしてはこんな感じです。
トラップは4インチをぶった切る感じで書きましたが、車両に対してもう少し小ぶりかもしれません。
4インチではなくトラップのインターナルサイレンサーを加工する方が武骨でいいかもしれません。
ベースとなるアクラポビッチのトルネードタイプにスリップオンで接続する事で、ステンフルエキを構成します。

アッパーカウルはバンデッドの物を大加工して付ける前提で作ってみました。
※こんなアッパーカウルは存在しません
ハンドルのクリアランスをしっかりと取りながら、ヘッドライトのツラに傾斜を付けることで、スピード感を出しています。
かなりオーソドックスな「定番カフェ」の完成形ですが、逆にちょっと・・・・個性が無いかな。
Studio Qの仕事にしちゃ、少々地味です。
結局突き詰めると、同じような形になってしまう”カフェレーサーの壁”がここにあります。

壁にぶつると言う事は「行けるところまでは行った」証拠だと、私は前向きにとらえています。
ここから先に行けるかどうか?が、腕の見せ所。
まずは、大型のオリジナルタンクカバーをワンオフする前提で雰囲気を変えてみました。
丸と角を融合させたようなビッグタンクは、カフェレーサーの文法に少々逆らっていますが、ノートンタイプだと言えないこともありません。

小ぶりなアンダーカウルを作って、前下がりに装着してみました。
アッパーの角度とも合っており、スピード感を演出します。
ただ、デザイン上の辻褄を合わせようとして、少々ゴチャ付いているようにも見えます。
これは、CGから実車作成まで数をこなしている私の直勘なんですが、多分失敗します。
どこまで行ってもカフェレーサーはプレーンでシンプルでなくてはいけません。
アンダーカウルの造形を凝った時点で、私は無意識に逃げていました。

プレーンと言う意味では、思い切ってフルカウル化する事も選択肢からは外さないでおきます。
シンプルで直線的なアンダーカウルを、ロケットカウルに合わせる形での提案です。
着せ替え込みでオーナーは色々楽しめますし、ペイントし甲斐もあります。
どうせなら、このくらい振り切った方が、芸術作品としては面白いと思います。

ピリオドの向こうへ

今回は、散々”カフェレーサーの壁”と言うものにぶち当たってますが、ここまで来たらその壁をよじ登ってみようと思います。
突き抜けた存在として真っ先に思いついたのは、このドカティMHR900eです。
今見ても、かなり斬新なデザイン。。。。良くこんなものを作ることを会社は承認したなw。
好き嫌いはハッキリ別れるかもしれませんが、これを自分なりに再解釈できないか?と思いました。

スクリーンはバンディッドLTDの物を合体させる予定です。

半年ほど考えていましたが、結局我慢できず手に入れました。
程度の良い中古品は20万以上しますが、これも後学の為です。
実際に手に入れてみて驚いたのは、かなり大きなカウルだったことと、FRP工作精度の高さです。
私は、イタリアのcarrozzeriaの実力を甘く見ていました。
どうりで値段が張る訳です・・・・こりゃもう工芸品の域と言っても良い。
裏側にまで袋状に出来上がっている複雑なアッパーカウルは、一体何処で分割型を使ったのか?全く分かりません。
凄まじい技術を持った人が世の中には居るんだ・・・・・とただただ驚愕です。

試しに競技志向で纏めたらどうなるだろうか?と思い、ガレージに転がっていたシHONDAのRS125用のシートと合わせてみました(それも黄緑w)。
レース用のシングルシートとの相性は抜群なのは良くわかりましたが、別にレーサーにしたいわけじゃないので、コレはコレって事で終了です。

それと、マフラーも少し変えたい。
トラップのオープンエンドはちょっと狙いすぎで、逆に捻りが無くミーハーかなと。
今は亡き、ヨシムラサンパーのテーパーエンドを用いたらどうなるか?と妄想しました。

マフラーを変え、カウル類をごっそり被せてみました。
赤みの強いイエロー一色で染め上げ、黒とのツートンでシンプルにまとめました。
ヤマハのクラシックな車輛に使われるイエローはもっと明るく白っぽい黄色ですが、無視します。
しかし、ここまでカウルが大型で前方にボリュームが寄ってしまうと、いくらアンバランスが信条のカフェレーサーでも、ちょっとこれはやりすぎです。
バイクに詳しくない友人に見せたところ「ヒーロー戦隊ものに出て来るバイク」と言われました。
た、確かに。。。。くそう、言い返せない(笑)。
一般人にはそんな”チンドン屋”に見えているのか?と少しショックでした。

さらっと登場しましたが・・・・XSR900を1台買ってきました(笑)。

そんなやり過ぎ感をどうにかできないものか?と、フロントのボリュームに負けないよう、エラの張ったシートカバーをかぶせて少し長くしてみました。
直線的な形状にしつつ、上面は丸くラウンドしてしている一方で、下からのタンクのエグリに似せた逆反りリバースラウンドが中央で繋がり、真っ直ぐな平行線を描きます。
少しづつ調整を加えながら、最適解を探ります。
はい、かなり無理してます。わかってます。

シートはカバーを更に直線的に延長し、エグリを少し控えめにしてみました。
シートの水平線のラインを少し上に上げます。
タンクとのつながりは無くなるものの、その分落差があり、少し持ち上がった感じのガンファイターシート風に纏めてみました。
フロントフェンダーは、ドカティMONSTER1200Rの物をフィットさせてみましたが合いそうです。

カフェレーサーとしてのシンプルさは無くなってしまい、かなり主張の強い癖強イタリアンレーサーになってしまいましたが、”カフェレーサーの壁”をよじ登り、レーサーに最も近づければこんな感じになります。
シートはより短くシンプルにした上で、タンクのカットラインをシートのタックロールのラインとフィットさせる。
同時に、大柄なアッパーカウルに大きく傾斜をつけて取り付ける事で、ナックルから流れてくる折り返しのラインとも一直線に並びます。
アッパーカウルの取り付け位置は安全性を考慮し、フロントフェンダーから12cmくらいのクリアランスを取るのが普通ですが、MH900eの場合はヘッドライトの下部分がバックリと無いスタイルなので、その限界を超えて下げることが可能です。
下あごの全く無い不思議なロケットカウルは、Fフェンダーにかぶろうとしていますが、一見無理そうなこの位置でのカウル取り付けが実現する、非常に希有なカウルです。

さて、これら様々な原案をMECEに捉えつつ、最終的なデザインを決めます。

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